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zoom RSS 第491話    涙のこうし園・・・。 A

<<   作成日時 : 2016/04/16 12:15   >>

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  第490話からの続きです。  私はこの出場辞退が決定した後、ぶつけようのない怒りがこみあげて来た。 商店街はこぞってバーゲンセールをし、バス100台で6,000人もの応援団がアルプス席を埋めるべく、T商関係者だけでなく県北が大いに盛り上がっていた状況だった。  私は同級生の部員を良く知っていて、皆が必死で頑張っている姿をいつも見ていた。  部員はこの辞退を嘆き苦しみ、当事者を許さないぞと怒っていた事だろうと思っていた。  ところが・・・。  部員は大人の対応をしていたのだ。  連載の N O話の抜粋を乗せます。   第N話 “ 運命の日 ”  静かな春休み中の学校なのに何か重苦しい空気だ。  野球部員が全員集まった部室で校長先生が 「 応援団の生徒が不祥事を起こしたので、選抜を辞退することになりました 」 と言われた。  「 ワ〜と 」 声を上げてY山部長が泣きじゃくりながら部室を飛び出して行かれた。  じっと下を向かれていたH谷監督さんも、「 選手がかわいそうです 」 と手で顔を覆いながら出ていかれる。  野球部員だけが部屋に残った。 誰も下を向く者などいない。  淡々と「 規則なら仕方がないです 」 と受け入れている。  おれ達の学校は選ばれる資格が無かっただけです。 仕方ないです。  俺は夜中に さくら神社の物語の児島たか徳のように一人でグランドに来て、グランドの土をたたいて号泣したい。  そして小島高のりが桜の幹を削って書いた文句をグランド一杯に書きたい。 「 T山商の選手よ、空しゅうするなかれ 」と書こう。  これもY山部長に教えて頂いた孔子の言葉 「 死生命あり、富貴天にあり 」 なのか、運命は。  大人は転校生がO山市内で事件を起こしたと残念がるが、おれ達は何とも怒りを感じていない。  同じ同級生だ。  自主的に応援団を作ってもらってリーダーとなって毎日、夜遅くまで、全校挙げて練習をしているのを見ていた。  立派な応援団になって来たと誇りさえ感じていた。   中 略   津山市内は灯が消えたみたいだ。  ラジオ局が取材に来てマイクを向ける。  失意のどん底のおれ達に、何を喋れと言うんだ。 無視して全員で黙々とグランドを走り続けた。   中 略   おれ達が元気を出して、部長さんや監督さんを勇気付けなければ。   第 O話 最終章   Y山部長が 「 明日は練習を休んで、神ばの滝に遠足に行くぞ 」 と言われた。 確か選抜の開会式の日だった。  聞こえてくるのは水の音と猿の鳴き声だけだ。 ありがたい。 今日は甲し園をわすれたい。  でも入場行進だけでもさせてもらいたかったな。 「 M下君、新聞にお祖父さんがショックで亡くなったと出ていたけど 」  「 心配するな。 寿命だったんだ 」  「 それなら安心した。 おれ達の青春は、こんな運命かな 」  「 これから、また別の大きな目標や喜びが出来るさ 」  「 雄太、キリストの言葉で『 父よ彼らをお許しください。 彼らは、自分たちが何をしたか解らないのです 』を知っているか 」 「 ああ良い言葉だな。 俺もこの滝の水に、今までの嫌な何もかも、『 許します 』と言って流して帰ろう。  清々しい気持ちだ 」  「 自然な大地や優しい生き物たちに今日は勇気をもらったな 」  「 また夏があるじゃないか 」  「 いつの日にか皆で、この不祥事を笑って話をしたいな 」  「 それにおれ達の代わりに出るK敷工にぜひおれ達の分まで頑張ってほしいな 」  「 明日から夏に向かって練習しよう 」  練習前に池上先生から 「 全国から励ましの手紙が沢山届いている。 見る様に 」 おれ達は、野球で努力や喜びや挫折や苦悩を教わったが、他人からの思いやりに一番心が震えるな。  「 雄太、嬉しいと自然と涙が出るんだな 」  「 ああ、甲し園の試合の後の涙みたいだな 」   終 わ り

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